八重山毎日新聞社

　「楽しまなくちゃ」を会是に初代会長・識名信用さんで発足、今年20年の節目を迎えた「水墨画を楽しむ会」の皆さんは自分が楽しむことに徹し研さんし合い歩み続けてきた▼7日から始まった20周年記念「水墨画作品展」は発表の機会を失ったコロナ禍でも描きためてあった会員の作品と物故者の識名信用さん、仲程功さんたちの作品を並べている▼最盛期には30余人もいた会員も鬼籍に入ったり、転勤や家事の都合で退会した方もいて13人と激減してしまった▼それでも会員は、発足当初に墨彩の手ほどきをしてもらった現在大阪在住の日本画家（染織図案家）・小野喜象さんが毎年6月、趣味のたこで元気に石垣島凧あげ交流会に参加していらっしやる姿を見て、まだまだ先生には負けられないと折々展示会を開き会のＰＲに努めている▼今回は同じ墨をたしなむ縁で新川在の百歳長寿・山根清風（慶子）さんの優美な書画が招待展示されている。山根さんは地域活動にも率先参画、正しいと思うことは口にし実践してきた▼著書もある。会場でもらえる「茅花（つばな）流る2」は島の祭祀（さいし）、冠婚葬祭、方言（スマムニ）の考察、指摘が面白い。山根さんを目標に趣味を楽しむ方が続いてくれればと、世話役石垣實佳さんは来場を呼び掛けている。本日最終日。（仲間清隆）