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故・石垣金星さんは妻の昭子さんを強引に…

 故・石垣金星さんは妻の昭子さんを強引に竹富島から連れ去った、といううわさを聞いていた。結局、金星さん本人には聞かずじまいになった▼と思っていたら、遺稿集「西表島の文化力」で昭子さんが真相を明かしていた。「1980年の春、竹富島の西桟橋にサバニを止め、私とハタ織機セットを載せるや、半ば拉致するように西表をめざす彼」と▼金星さんのほうでは「竹富島からの人材誘致を勝手に決めて、口説きまくり、こうして西表への誘致に成功した人材が、上地昭子、今は石垣昭子となっている」と書く。島おこしのために織物に着目し、竹富島に通い詰めた末のことだった▼遺稿集は、編者らの丁寧な作りによって金星さんの人となりを伝えている。金星さんは主義と情に忠実な人だった▼辺野古反対を叫ぶ金星さんは、米国総領事との間で友情を育んでもいる。西表島祖納沖に墜落した米軍機グラマンに乗っていた米兵の遺骨探しが縁だった。金星さんは「海底に眠るある一兵士をそのままにして置いてはいけない、というまことに単純な思い」に突き動かされ、遺骨探しにコミットしていた▼金星さんの豊かな感情表現は遺稿集にすべてを収めきれず、その人柄をしのぶよすがとしてSNS上でシェアされている。6月30日で没後1年である。(松田良孝)

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