八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

本島と離島 価格差20.2円 県内ガソリン小売

39509.jpg

沖縄本島との価格差が生じているガソリン

22年度1㍑当たり 高いマージン影響

 県が2022年度に実施した「石油製品輸送等補助事業の効果に関する調査」で、沖縄本島に比べて県内離島のガソリン小売価格が平均で1㍑当たり20.2円も高いことが分かった。小浜島では価格差37円と八重山圏域で最も高く、大規模離島の石垣島は18.9円だった。県によると、離島の給油所は年間販売量が本島よりも少なく、固定費・車両維持管理費などが高いため、給油所の販売価格に本島よりも高いマージン(手数料)を上乗せしていることが価格差を押し上げている。

 八重山圏域内の給油所は22年4月時点で7島に29店舗ある。本島の22年度ガソリン平均価格が172円だったのに対して、八重山の各島別の価格は▽石垣島190.2円(本島との価格差18.2円高)▽竹富島202.7円(30.7円高)▽西表島201.9円(29.9円高)▽小浜島209円(37円高)▽黒島207.2円(35.2円)▽波照間(黒島と同額)▽与那国島205.4円(33.4円高)―となっている。竹富、与那国は29~37円高となった。

 沖縄は、本土復帰に伴い県内で消費される揮発油(ガソリン)が本土との税差によって値段が上がらないよう一定期間の「揮発油税等の軽減措置」が講じられている。また、本島から県内離島への揮発油・灯油・軽油・A重油の輸送費は、県が「石油製品輸送等補助事業」で年間9億円前後を投じてほぼ全額補助を行っている。補助額は1㍑当たり2~12円。

 調査は、石油製品輸送等補助事業の対象離島のうち21年度補助実績がある23離島の事業所に22年10月31日~11月18日にかけて実施。1584事業所の24%に当たる381事業所から回答を得た。結果は、現行で11回延長されている「揮発油税等の軽減措置」の期限が来年5月14日に切れるため、さらに延長するかどうか判断するための参考資料となる。

 

■県、価格差縮小策検討へ

 海上輸送費コストを県がほぼ全額負担しているのに、沖縄本島と離島でガソリンの価格差がなぜ生じるのか。県地域・離島課は次のような要因を挙げる。

 本島では、給油所がりゅうせきなど特約店からガソリンを大量に仕入れることで通常よりも安く抑えることができる。この「ボリュームインセンティブ制度」は、販売量の多い本島の給油所に有効だ。

 販売量の少ない離島事業所について同課担当者は「販売量の少ない小規模離島で導入しても貯蔵するタンクがなかったり、量が出ずに在庫を抱えることになってしまう。離島でボリュームインセンティブを取り入れるのは厳しいという意見がある」と指摘する。

 また、揮発油・灯油・経由・A重油の輸送費は県の補助対象だが、タンクローリーの車検輸送費や地下タンク検査員の旅費などは対象外。こうした費用が嵩み、本島よりもコストが膨らむ。担当者は「離島の給油所は小規模が多い。本島の給油所よりもマージン率をとらないと経営が成り立たない。なので、結果的にマージンが小売価格に反映されている」と話す。マージンは本島でレギュラー1㍑当たり18.4円に対し、離島は31円と約1.7倍も高い。

 このマージン抑制のため、同課は人件費を抑えられるセルフサービスの導入を効果的な策のひとつだと考える。フルサービスとセルフサービスのレギュラー価格(1㍑)を比較すると、セルフ給油所が石垣島で2.1円、宮古島で4.3円も安かった。

 さらに価格差を縮小するための方策として▽本島・離島間の輸送費コストの負担軽減▽対象外になっている資機材の検査・修繕に係る輸送費の追加支援制度▽小規模離島を対象とした流通の合理化促進―などを挙げる。今後、市町村や小売事業者と連携して検討を進めていく。

  • タグ: ガソリン小売価格
  • ※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

    関連するニュース

    • 関連するニュースはありません。

    ページ移動

    キーワード検索フォーム