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憧れの聖地に立てる 八重高OB感謝「またみんなで野球を」

2020年沖縄県高校野球夏季大会で初優勝し、スタンドに向かってガッツポーズをする八重高ナイン=2020年8月2日、タピックスタジアム名護

2020年沖縄県高校野球夏季大会で初優勝し、スタンドに向かってガッツポーズをする八重高ナイン=2020年8月2日、タピックスタジアム名護

金沢学院大学で野球に打ち込む八重高元主将の内間敬太郎(本人提供)

共栄大学の宮良忠利、砂川羅杏、比嘉久人、下地寛太郎(左から)=12日、共栄大学(提供)

諦められぬ夏、幻の甲子園出場 元高校球児大会開催

 憧れの聖地に立てる―。コロナ禍で幻に終わった2020年夏の甲子園がことし11月29日、「あの夏を取り戻せ~全国元高校球児野球大会2020―2023~」として開催されることが決まり、八重山高校OBらにも喜びの声が広がった。当時主将を務めた内間敬太郎(20)=金沢学院大学3年=は「優勝したメンバーとまた野球ができることがうれしい」と喜びをかみしめる。

■今も残る悔い

 内間がプロジェクトを知ったのは昨年8月、チームのエース投手だった砂川羅杏(らいあん)=共栄大学3年=から「こんなプロジェクトがあるらしいよ」と連絡を受けた。メンバーに確認し、すぐに参加を申し込んだ。全46チーム中5番目の早さだった。

 甲子園は高校時代、憧れ続けた聖地。3年越しの夢が実現するが内心は複雑だ。「あの夏に行けなかった悔しさは正直まだある。県大会で優勝して、そのまま出られたら最高だっただろうなあって」。

 それでも、3年間苦楽をともにしたメンバーがそろい、再びプレーできることはこの上ない喜び。成人式以来約10カ月ぶりの集結となるが「進学で島を出て、全員で集まれることは当たり前ではないと感じた。プレーしたらあの頃の楽しかった記憶、辛かったことを思い出せると思う」と話す。

■〝全員野球〟復活へ

 詳細な日程はまだ決まっていないが、チーム全員で行う入場行進でのダイヤモンド一周を心待ちにする。「開催してくれる人がいて今がある。高校球児にしか分からない気持ちをくんで動いてくれていてありがたい」とプロジェクト発起人の大武優斗さんに感謝する。

 当時のメンバーのうち大学で野球を続けているのは9人。自身も大学で野球に打ち込んでおり、現在は北陸大学春季リーグのシーズン真っただ中だ。将来は高校教諭を目指しており、指導者として母校の甲子園出場を夢に描いている。

 憧れた甲子園の土は3年越しに踏むことになるが、「いい経験になると思う。大会では勝つというよりも全員で楽しんで野球ができたら」と当時のチームカラーだった〝全員野球〟の復活を誓った。

■「甲子園の空気を」

 当時エースとして活躍し、現在は共栄大学(埼玉県春日部市)野球部に所属する砂川は、甲子園が中止となった瞬間を「致し方ないとはわかっていても、どうにかしてやってもらいたかった」と振り返る。コロナ禍でも独自大会を開いてくれた関係者に感謝を示すべく「全員で最後は優勝して終わろう」と話して県大会で初優勝を飾った。大学で野球を続けるのも「不完全燃焼に終わった全国舞台への思いを大学で叶えるため」だと言う。

 同プロジェクトに「こうして多くの同世代が動いてくれていることに感謝している」と語り、「野球を辞めてしまった仲間ともまた集まれる。全員で甲子園の空気を感じたい」と語った。

 高校に続いて大学でも砂川とバッテリーを組む捕手の比嘉久人(3年)も「甲子園は子どもの頃からテレビでしか見たことがない場所。そこに立てるとは」と喜んだ。全国の強豪校OBチームとの対戦を楽しみにしており、「久しぶりに八重山高校のユニフォームを着て、みんなで野球を楽しみたい」と待ちわびている。(小笠原大介東京通信員、﨑山拓真)

  • タグ: 八重山高校野球部全国元高校球児野球大会2020―2023
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