東一組17年ぶり総合V 市爬龍船競漕大会
「ユッカヌヒー」(旧暦5月4日)の9日、漁業者の航海安全と豊漁を祈願する海神祭が郡内各地で行われた。このうち郡内最大規模の第118回石垣市爬龍船競漕大会(同実行委員会主催)は浜崎町の石垣漁港で行われ、精鋭のウミンチュらが力強いカイさばきを競った。本バーリーは東一、東二、中・西合同(中一・中二・西)の3組対抗で行われ、転覆と上がりを制した東一組が2007年以来17年ぶりに総合優勝を飾り、中・西合同の14連覇を阻止した。梅雨の雨が降りしきる中、会場には開催を待ちわびた大勢の市民や観光客が訪れ、漁業者の一大祭典を楽しんだ。
大会は午前8時に舟をそろえる「スネー」で開会。各組の漕ぎ手らが「ハーレー歌」と鐘の音に合わせてエークをさばき、海上に大きな円を描いた。
本バーリー幕開けの「御願」は中二組が従来の最速記録を上回る13分32秒90で優勝。舟の復元力を競う「転覆」では東一組が巧みなチームワークを見せて制した。
大会のトリを飾る大一番「上がり」では勝てば総合優勝が決まる東一組と西組が激しいデッドヒートを繰り広げた。最後は2周目までリードした東一組が西組の猛追をかわしてゴール。0・2秒差という近年まれにみる大接戦を制し、17年ぶりの総合Vをもたらした。
1番エークを務めた名嘉貴也さん(29)は「これまで西組に勝つために練習してきた。長年ハーリーを漕いできたが、今が一番気持ちいい」と感無量の様子。今回は上がりを制するため回転数を上げて速さを出すピッチに加えストロークを重視して練習に取り組んだという。勝負所と見ていたスタートとターンの出入りもうまくいったといい「相手も強かったが最後は意地で漕ぎ続けた。ようやく、やっと中・西に勝てた」と久々の頂点をかみしめた。
転覆バーリーで一番エークを務めた東一組の砂川亮太さん(40)は「砂川徳次郎選手監督や舟を修理する舟ガムイなど多くの方に支えてもらった。最高の恩返しができた」と地域一丸での優勝を喜んだ。
開会式で上原亀一大会長は「海神祭は漁業者が安全操業と豊漁を祈願する伝統行事。多数の皆さんが参加され、市民参加型で開催できることに感謝申し上げる」とあいさつ。中・西合同の平良孝太さんは「航海安全、大漁祈願、限られた時間の中での練習の成果を全力で出し切る」と力強く宣誓した。
各組の女性部も踊りを披露したほか、新川、真喜良、八島の3小学校2年生児童ら127人もダンスで大会を盛り上げた。
結果は次の通り。
【御願】
①中・西合同(中二組)13分32秒90②東二組14分0秒62③東一組14分29秒56
【転覆】
①東一組10分5秒90②中・西合同(中一組)10分10秒93③東二組11分12秒07
【上がり】
①東一組13分6秒46②中・西合同(西組)13分6秒66③東二組14分3秒04
【総合】
①東一組24点②中・西合同24点③東二組15点
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