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米軍ミサイル駆逐艦の入港で日米防衛当局が…

 米軍ミサイル駆逐艦の入港で日米防衛当局が得たもの。じわじわ進む市民の軍事慣れ。この際自衛隊だけでなく、米軍にも慣れてもらおうという魂胆も見え隠れした▼排水量1万㌧近い巨艦である。大型戦闘艦のひときわ異彩を放つ船影。接岸より沖合停泊がより視認効果を高めた。なにしろ沿岸のどこからでも見える。接岸で得られる港湾情報より接岸できない現実を見せつけ、特定重要港湾指定による港湾整備の可能性をくっきりと印象づけた▼接岸できない理由は喫水が深いこと。巡航ミサイル「トマホーク」を搭載するからだろうか。敵地攻撃能力を持つ戦闘艦が島々を守るというアピールが潜む▼日米地位協定で入港を拒否できないことも繰り返し強調され、市民の認識を変える背景になってゆく。米軍が港を自由に使えなければ島々は日米一体で守れないと▼取材を受けた市民が「国防のためなら仕方がない」とか「世界情勢が不安な中では」と答える確率が増えたのもどんぴしゃ狙い通りの効果、展開だろう▼最大のお土産は、政治が「お国」と米国、「強いモノ」の側に立つこと、改めてその旗幟(きし)を鮮明にしたことだ。政治が軍事利用反対の意見を持つ団体、市民と対峙、威圧するということである。巨艦の船影に、いかなる未来を見るか。(慶田盛伸)

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