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石垣島で生まれ育ったわが子は、同級生の…

 石垣島で生まれ育ったわが子は、同級生の前では方言を話し、親の前では共通語を話す。筆者は長いこと石垣島に住むが出身地の名古屋弁が抜けず、島の言葉は話せない▼島で自動車の運転免許を取得した友人は、教習所の走行練習でとなりに座った教官から「ばんない回せ」と指示され、「ばんない」なるツマミを探して笑われたという▼日本には数多くの方言が存在し、その言葉がその土地の特色となる。方言を使うことで帰属意識が生まれ、言葉がアイデンティティーを強化する。連帯意識を表明する役割もある▼現代では公の場や教育の現場では共通語を使用することこそが「相手を尊重する」と信じられるようになったが、共通語では迂遠な表現になる言葉も方言なら細かいニュアンスを一言で伝えられたりする▼一方で、方言にぎょっとさせられたことも。優しそうな母親が、小学生のわが子を「お前」と呼んだのだ。移住したばかりの当時、驚愕したことを思い出す。仲良く遊ぶ子ども同士も荒い言葉だったと記憶する▼近年、学校では、友人への「さん」付けを奨励。子どもはコミュニケーション能力が未熟なゆえに、悪意はなくともトゲトゲしいやりとりに陥るのを防ぐためだ。上司から筆者への「死なすど」にも悪意はないと信じてやまない。(立松聖久)

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