八重高OB、堂々行進 3年越し夢の甲子園実現
【兵庫】2020年にコロナ禍で戦後初の中止となった夏の甲子園に出場予定だった元高校球児らが集うプロジェクト「あの夏を取り戻せ全国元高校球児野球大会」が29日、兵庫県の阪神甲子園球場で行われ、沖縄県代表として八重山高校OB(21人)が参加した。メンバーらはシートノックや入場行進を行うなど憧れの聖地、甲子園に立つ夢を3年越しに実現させた。会場スタンドには石垣島からかけつけた家族や友人らがつめかけ、メンバーの勇姿を見守った。八重高OBの交流試合は30日午前11時50分から県立明石公園トーカロ球場で行われ、龍谷高校OB(佐賀)と対戦する。
同プロジェクトには20年夏に全国各地で行われた独自大会の優勝校を中心に45校42チームが出場。球児ら約700人が母校のユニホームを着て甲子園球場に集結した。
南から北の順に紹介する入場行進では八重高OBが先頭で登場。21人全員で息を合わせ力強く行進した。ホームベース付近ではスタンドにいる家族らに向かって脱帽し、笑顔で合図を送った。
会場では抽選で選ばれた松山聖稜(愛媛)と佐久長聖(長野)、関大北陽(大阪)と倉吉東(鳥取)が試合を行ったほか、試合のない全38チームが甲子園で各5分間、シートノックに臨んだ。
セレモニーでプロジェクト発起人の大武優斗さんは「過去を取り戻したくても戻ることはできないが、未来に向かって進むことはできる。きょうという日があの夏世代にとって未来に進む日になりますように」とあいさつ。聖隷クリストファー高校OBの大橋琉也さんによる選手宣誓やテーマソング歌唱なども行われた。
参加した八重高OBの下地寛太郎さん(共栄大3年)は「小さな頃から夢見ていた景色だったので最高だった。こういった形で大会が開催されたこと、また皆と野球できることに感謝しかない」と感慨深げ。入場行進の演出は下地さんが直前に思いついたものだといい「実際の甲子園ならできないことだが、島の人に届けようという思いで帽子を見せた。感謝の気持ちをかみしめながら行進できた」と振り返った。
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