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台湾北部の新竹県竹北市にある陽明交通大学…

 台湾北部の新竹県竹北市にある陽明交通大学客家文化学院はドーナツのような円筒形の施設だ。客家独特の建築「土楼」へとイメージが広がっていく▼都留文科大学の山本芳美教授の尽力により、この研究施設に故・植松明石氏の調査資料が保管されている。山本氏は明石地区などに人脈を築き、植松氏は新城の民俗調査で知られると書けば、「ああ、あの人のことか」と思い出す読者もいることだろう▼八重山から植松資料を見にいく調査があり、参加者4氏が本紙にその報告を寄稿した(8、10、14、15日付)。外国であり、身近でもある台湾に地元の資料が残されている意味が四者四様の言葉で語られ、さらに深い調査への期待を感じさせられた▼竹富町から参加した町史編集室の米盛恭子氏は「資料を地域へ還元することも含めて、さらにその先の世代につなげるお手伝いができたら」と書く。寄稿文には新城出身者の思いがにじみ、植松資料を活かすべき道筋が示されていたように思う▼「外」の目で自分の土地を見つめ直す機会は得難いものだ。高名な学者のコレクションだからといって尻込みする必要はない▼学術研究が高みを目指すうえでも、地元の協力は不可欠だ。なにより、植松氏自身がこのようなかかわりを望んでいるに違いない。(松田良孝)

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