来年3月に社会実験へ 高速船運航、関係者ら乗船
【与那国】台湾花蓮市―与那国町間を高速船で結ぶ社会実験事業について与那国町は来年3月26日~29日に実施する方向で調整していることが1日までに分かった。町は同事業を通して実績を重ね、民間事業者参入による定期航路化と与那国町の港湾の開港を目指す。両市町の関係者各50人が乗船する予定となっている。
沖縄振興特別推進交付金を活用して同町が進める「国境交流結節点化推進事業」の一環で総事業費は4909万円。船は台湾船籍の高速双胴船「BLUE MAGPIE(ブルーマッグパイ)」を使用する方向で調整中。与那国側からは行政関係者を中心に旅行・観光事業者などが乗船する予定。
町によると、26日午前9時に台湾側から行政、旅行関係者など50人を乗せた船が花蓮港を出港し、正午過ぎに久部良漁港に到着。検疫、入管、税関などの入国審査後に姉妹都市歓迎セレモニーを漁港で開き、昼食会や観光名所視察、歓迎交流レセプション(懇親会)を行う予定。
翌27日は、台湾関係者の出国審査を済ませ、午後2時30分に与那国、花蓮両市町関係者100人を乗せて久部良漁港を出港。午後4時に花蓮港に到着し、花蓮港内で花蓮市側による姉妹都市歓迎セレモニーが行われる予定。
28日は花蓮市内の名所などを視察し、午後2時30分に花蓮港を出港、午後6時に久部良港に到着する予定。最終日の29日は、久部良漁港から台湾側の船舶関係者とともに台湾船が久部良漁港を出港、社会実験の全行程が終了する。
同事業は与那国町を結節点とした新たなボーダーツーリズムの形をつくり、八重山圏域における観光の流れを変化させ、観光振興による地域経済の活性化を図ることを目的としている。
町は2019年から調査業務などを行っており、コロナ禍を挟んで今回が初の社会実験となる。
使用予定の船舶「BLUE MAGPIE」は全長49.90㍍、全幅13.30㍍。定員522人(メインデッキ388人、アッパーデッキ164人)。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。