八重山毎日新聞社

　思い返せば今までいろいろな議会の姿を見ておもしろいとも思ったし、疑問も感じた▼ある自治体では、議員が本会議で誰かの個人情報やうわさ話を主張したが止める人はいなかった。一般質問を文字通り“一問一答”で終える議員もいた。「もっと聞きたいことはないの」と少し気になった。別の議会では「あの給油所でガソリンを入れるな」と質問する議員がいたり、とっくに解決した特定の未払い問題を何年も追及する議員もいた▼執行部のほうも例外ではない。一般質問で詰められた職員が急に激昂して反論。そのようすを見て、目が点にもなった。「なんでそんなに叫んでいるの」と思った▼話は変わるが、県行政が荒れている。2022年度の特別会計決算で、県職員のミスによって歳入と歳出が合わない赤字が発生。県はその赤字を地方自治法で違法となる形で処理しようと予算案を上程したが、議会は審議拒否した▼さらに急きょ浮上した別の案件も重なって議会が空転した。いよいよ再開すると思ったら、今度は休憩中に議員会派室で県職員の飲酒が発覚。議会をさらに休憩して事実確認が行われた▼冒頭の地方議会の話を聞いて笑ったかもしれないが、本会議中に酒を飲んだ人はいなかった。県は県民の信頼を裏切り、議会は権威を落とした。（玉津盛昭）