結願祭で収穫に感謝 川平村
- 2023年09月22日
- 芸能・文化
農作物の収穫をすべて終えたことに感謝し、来年の豊作と住民の健康などを祈願する川平地区最大の神事・川平村結願祭(川平公民館主催)が21日午後、群星御嶽で4年ぶりに通常で執り行われた。川平村に伝わる数多くの伝統芸能を奉納し、川平村の繁栄を願った。多くの住民や観光客らが訪れ、熱の入った演武や演舞に盛大な拍手を送った。
結願祭は、太鼓や獅子舞を境内で行う前半、舞踊や狂言を舞台で披露する後半の2部構成。前半はまず神が鎮座する「ウブ」の前に出演者全員が拝礼した後、年配女性ら7人の歌う「与那覇節」に乗せて弥勒神を先頭に境内を1周する総踊りを行った。
座を清める「座見舞い」として太鼓、獅子、川平小中学校の太鼓に続き、本舞としてさらに太鼓、棒、獅子が続いた。川平小中からは小学1年生から中学3年生まで出演、双手と片手の舞をみせた。
川平の太鼓は約350年前、棒は約550年前、獅子は約500年前から伝えられているという。このうち棒は当時、自己流で棒術・剣術の技を磨いた「仲間満慶山」から村の若者が手ほどきを受けたのが始まりと言われる。
「刀棒」「六尺棒」「三人棒」「エーク棒」「鎌棒(ガギィ)」「カニパ(くわ)棒」など12組が「ひやー」と大きく気合を入れながら勇壮で迫力のある演武を展開、棒が2本折れるという気合の入れようだった。
カニパ(くわ)棒を10年以上担当する多和田眞也さん(43)は「通常開催でお客さんも多くいたので雰囲気が前々違った。みんな力が入っていた」と充実の表情。総踊りで「与那覇節」を歌った南風野かつさん(87)は「みんなで村の行事を盛り上げてくれてありがたい。おばあちゃんたちもうれしい」と声をつまらせた。
髙嶺英康館長はあいさつで「4年ぶりに結願祭が通常に執り行われることに大きな喜びを感じている。川平村の歴史は古く、豊かな伝統文化は老人たちの培った大切な文化遺産。子々孫々まで継承していくことが川平村の発展につながる」と述べた。
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