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初めて日米地位協定を読んだとき、思わず

 初めて日米地位協定を読んだとき、思わず目を疑った。「米国の船舶や航空機は入港料・着陸料を課せられないで日本の港・飛行場に出入りすることができる」▼戦勝国はタダで使うのか。思わず、その「せこさ」を笑いそうになった。が、この条項の恐ろしいところはそこではなかった。「日本の港・飛行場」が限定されていない。つまり米軍はいつでも、どこでも、好きなように日本の民間の港・空港を使えるのだ。日本の法体系を軽々と上回る占領政策そのものではないか。これが日ごろ表に出ない日米関係のいびつさ▼米海軍掃海艦の石垣寄港は、あらためてその怖さを思い起こさせた。石垣港の管理者は石垣市長である。2009年の寄港のさい、当時の大浜市長は寄港に強く反対したが、米側は委細構わず着岸させた▼今回、中山市長は「日米地位協定に基づく港湾利用なので石垣市として拒否する権限はない」として施設利用を容認した▼そのとおり権限はない。が、そのありようは主権国家として適切か。少なくとも「同志国」の対等な関係ならば、国に協定改定を求めてしかるべきだろう。まして「通常寄港」が常態化するなら入港可否の権限を▼フェンスが市民に見せたくなかったもの。掃海艦ではなく、ゆがんだ日米関係ではなかったか。(慶田盛伸)

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