サンゴ保全、全庁体制で 石垣市 8課連携チーム設置
- 2023年08月16日
- 政治・行政
石垣市は15日、全庁横断的な組織体制でサンゴ礁生態系の環境負荷低減と持続可能な利活用を行うため、サンゴ保全庁内連携チームを設置したと発表した。サンゴ礁の保全や利活用事業を所管する8課で構成し、連携した取り組みを展開する。石垣島と西表島の間に広がる日本最大規模のサンゴ礁域「石西礁湖」をメインに▽陸域負荷対策の施策提案▽市民啓発活動▽関係部署の情報共有―を柱として既存事業の拡大や新規事業の創出を行う。竹富町とも連携する。
今年度はサンゴ礁保全に関する関係者研修、石西礁湖保全啓発ロゴコンテスト、石西礁湖自然再生協議会への参画、連携チームの施策提案などを予定。次年度以降にはサンゴ保全に関する「指標」の設定、まちづくり寄付金活動事業の検討、サンゴ保全職員の導入検討を行う。
中心的な役割を担う8課長をメンバーとする「サンゴ保全連隊シン・サンゴレンジャー」も結成。サンゴ保全事業を進める象徴的なキャラクターとして啓発活動を行う。
中山義隆市長が市役所内で会見し、「石西礁湖のサンゴ礁生態系が赤土流出など陸域からの環境負荷や高水温などによる白化現象、オニヒトデの大量発生によるかく乱を受け、大きく衰退している現状を認識しなければならない。今の時代を生きる私たちは次世代に継承する責務がある」と述べた。
同席した環境省石垣自然保護官事務所の山本以智人上席自然保護官は「環境省は40年前からモニタリングを行っているが、サンゴ礁は激減している。保全は待ったなしの状態。石西礁湖自然再生協議会で科学的根拠が揃い、対策も見えてきた。これをサンゴ保全に反映させたい。市が分野を超えて連携するのは大きな一歩」と喜んだ。
一方で山本保護官は地球温暖化のほかサンゴの生成に影響を与える陸域からのリンを挙げ、市が次年度以降に設定を予定するサンゴ保全の「指標」についてリンの濃度や水質などが検討課題になるとの見方を示した。
シン・サンゴレンジャーは環境・企画政策・畜産・農政経済・下水道・水産・観光文化・学校教育の8課長を、サンゴ礁の危機を救う火・石・大地・森・水・海・太陽・知恵の精霊にそれぞれ見立て、市民が親しめるようストーリー性をもたせている。
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