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与那国島出身者が台湾の2・28事件で犠牲…

 与那国島出身者が台湾の2・28事件で犠牲になったと認めるよう求めている訴えは、台風6号の進路をにらみながら申請書の作成が行われた。暴風警報が出ていない時間帯を狙って、浦添、那覇、豊見城を回って進められた▼遺族のひとりにねぎらいのメールを送った。返信には「これから大きな台風を引き起こしますよ」とあった。もちろん、社会を混乱させている台風のことではない。事件を解決に導くために風を起こすという決意にほかならない▼ハンコを突いて申請書が仕上がったのは4日昼すぎ。那覇市内はその数時間後に今回の台風2度目の警報が出された▼台湾政府行政院に犠牲者認定を求める上訴は今回で3回目。過去2回の上訴では、申し立てから決定まで6~8カ月間を要している。この先例にならえば、今回の申請書が今月中旬に行政院に到達した後、早ければ来年2月に結論が出る可能性がある▼台湾では毎年、2月28日に同事件の式典が開かれる。父親が犠牲者だと訴え続けている遺族の徳田ハツ子さん(85)と具志堅美智恵さん(82)は2018年を最後に参加していない。20年以降は、新型コロナの影響で海外渡航のハードルが上がった▼来年は納得の表情で参列できればと願わずにいられない。「三度目の正直」というではないか。(松田良孝)

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