市立図書館から借りた本の一節に「私には…
- 2023年06月13日
- 不連続線
市立図書館から借りた本の一節に「私には趣味がない」とのフレーズをみつけ、ドキリとした。身に覚えがないわけではない。人に語れるほどのものがあるか、思わず自分に問うてみる▼1週間もかけて通り過ぎた台風2号は、そのもやもやを強くさせた。何しろ時間が長い。何をするでもない時間が▼若い頃、職場の昼休み時間、昼食を手早くすませ、囲碁に興ずる先輩方がいた。なぜだか格好よく見えた。さっそく入門書を購入し、読み進めてみたが、何が何だかさっぱり分からない。諦めた▼時を経て、三線に目覚めた。研究所を名乗らないグループに参加して数カ月。「浜千鳥」を習ったときはうれしかった。今まで踊らされるばかりだったのに、踊らせる側になれる。が、それも生来の飽き性か、道を究めることなく、そこで終わり。親戚や、ごく近しい人たちの集まりで地謡のまねを披露しただけで満足してしまった▼何でもつくる、つくれる友がいる。小はネクタイピンから、大は家具やテーブルまで。材質選びから手間暇かけた作品は、友人らに惜しげもなく進呈する。果てに三線まで手作りした。棹は黒木の150年ものとか▼「好きこそものの上手なれ」という。時を忘れて熱中する何かがあるのは素晴らしい。「好き」を探しに歩きますか。(慶田盛伸)
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