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危険 牛の脱柵 車両との衝突事故相次ぐ

牛と衝突して破損した車両。修理代が高額になるため廃車にした=2022年10月19日(所有者提供)

牛と衝突して破損した車両。修理代が高額になるため廃車にした=2022年10月19日(所有者提供)

県道87号で3件確認

 石垣島土地改良区北方の県道87号で牛と車両が衝突する事故が起きている。八重山毎日新聞社の確認だけで2019年から22年にかけて3件あった。うち1件は運転手がけがを負った。牛は事故現場近くの牧場から脱柵したとみられ、ことしに入ってからも脱柵牛の目撃情報がある。重大事故につながる恐れもあることから対策が求められそうだ。

 事故は2019年5月2日、21年8月27日、22年10月19日、いずれも夜間に起きた。黒毛のため視認できず、道路東側から突然飛び出した牛に衝突した。19年の事故ではドライバーが右肩の関節捻挫、腱板損傷のけがを負った。他の2件ではけが人はなかったが、3件とも車両は実質全損の被害を受けた。

 このうち19年と21年の事故では運転手側が訴訟を提起。牛の所有者が動物愛護法第7条1項と3項に基づき適正に飼養する責務などを果たしていないと認定され、損害賠償金の支払いを命じる判決が出ている。

 一方、22年10月の事故では衝突後に牛が逃げたため写真を撮影するなど証拠を残すことはできなかったという。運転していた50代男性は「歩道の植え込みに黒い物体があるなと思ったらいきなり路上に飛び出してきたのでぶつかった。修理に60万円かかると言われたので廃車にして買い替えざるを得なかった。証拠がないので泣き寝入り」と憤った。

 2件の訴訟で運転手側の代理人を務めた弁護士は「畜産業者には動物愛護法上、管理する動物の適正な飼養義務、逸走防止措置義務がある。この義務を果たさずに第三者に損害を与えた場合は賠償義務を負う。巨大な牛の逸走は金銭賠償では済まない致命的な死傷事故につながりかねず大変危険だ。不幸な事故を発生させないよう、畜産業者には逸走防止措置が求められる。行政にも強い指導が必要になるのではないか」と話している。

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