八重山諸島のニュース・石垣島・竹富島・西表島・新城島・小浜島・鳩間島・黒島・波照間島・与那国島

エントリー

「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」。遠い…

 「深謀遠慮(しんぼうえんりょ)」。遠い将来のことまで考えて、周到にはかりごとを立てること。3回目となるPAC3展開のまがまがしさ、島々を覆う憂いにそれを思う▼表向きは北朝鮮が計画する軍事偵察衛星発射への備え。南西諸島への落下が予測されるとして浜田防衛相が破壊措置準備命令を出した▼石垣島への最初の部隊展開は2012年。尖閣国有化の年である。2回目の16年は与那国島に陸自監視部隊駐屯地を開設した年。周辺諸国の動向を島々の住民の意識変容いわゆる「地ならし」に利用する意図はなかっただろうか▼今回は石垣島駐屯地開設直後。「防衛の空白地帯解消」をアピールする絶好の機会であると同時に、平和と自然を守る市民連絡会が指摘するように「北朝鮮の暴挙を口実に住民をあおる」のではないか▼何より危惧すること。「反撃能力」の長射程ミサイル配備、「標的の島」への不安感解消に狙いを定めていないか。部隊初展開の与那国町では、地対空ミサイル配備説明会を控え、PAC3部隊の常駐をも望んでいる。すでに前のめりだ▼軽々な論評は避けるべきだが、国境の島の不安は想像するに余りある。台湾有事しかり、周辺諸国の動向をうまく利用して危機感、不安を生み出す。深謀遠慮を疑われてもしかたあるまい。(慶田盛伸)

※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。

関連するニュース

  • 関連するニュースはありません。

ページ移動

キーワード検索フォーム