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琉球大学で日本近代文学を専攻し、卒業後は…

 琉球大学で日本近代文学を専攻し、卒業後は新聞記者になろう―。ところが1970年5月15日の復帰を前にした4年生のとき、やはり沖縄のことを知らなければいけない、と思う自分自身を発見したという▼「琉球文学発想論」の著書がある嘉味田宗栄氏の講義「琉球文学」を受けることに。600㌻余りあるテキストの同書を一気呵成に読んだ。先回りして講義を受けるのは初めてだったという▼それから50年余りがたった今、石垣市出身で名桜大学大学院教授の波照間永吉さん(73)は、同大が主導する琉球文学研究の集大成「琉球文学大系」の編集刊行委員会委員長を務めている▼琉球文学研究が始まって120年が経つという。大系はその間のさまざまな領域の研究を整理して広く提供し、研究のさらなる拡大と深化を目的とする。文学、歴史、民俗・地誌の各領域にわたる全35巻。八重山の古謡や狂言も入っている▼なんだか途方もない構想のよう。その先陣を切って波照間さんが刊行したのが、第51回伊波普猷賞を受賞した1・2巻となる「おもろさうし」(上、下)である▼その祝賀会が24日、地元で行われ、波照間さんは「完成は81歳か82歳になるのかな」と言っていた。「健康に留意して完成を」。会場は期待感に満ちていた。(比嘉盛友)

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