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復帰前の八重山で調査を行った故・植松…

 復帰前の八重山で調査を行った故・植松明石氏の写真資料について13日付3面で報じたところで、その日の晩に知人の読者、Aさんからメールが届いた。「新聞を見ました。ぜひ本にして販売してもらいたいと思います」▼植松氏の八重山初訪問は1960年。Aさんは60年代前半の出生ということもあって、とりわけ関心を持ったようだ。自分が生まれた時、島にはどんな風景が広がっていたのか、と▼台湾の国立陽明交通大学客家文化学院は、植松氏が残した写真などの調査資料を「植松文庫」として収蔵する。資料整理の様子を2月中旬に取材したところ、細長く丸まってしまったネガフィルムも含まれていた。まるでストローのような形状に、そこに写っているものを見たいという欲求がかきたてられた。同学院とともに資料整理に取り組む山本芳美氏が言うように、「一枚一枚がすべて貴重」である▼資料整理は、劣化した資料を傷つけないように気を使う作業だ。資金と時間、そして、植松氏が残したものは何かを読み解く「知」を要する▼一度は行き場を失いかけた八重山の資料が、巡り合わせによって台湾についの住み家を得た。デジタル化がアナログ資料に新たな命を吹き込み、かつての島々に新鮮なまなざしを向ける機会を与えてくれる。(松田良孝)

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