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228事件の犠牲者を供養するため、遺族ら…

 228事件の犠牲者を供養するため、遺族ら沖縄訪問団が台湾基隆市の和平島にある廟を訪れた。廟を管理したり、普段から廟でおしゃべりをしたりする常連の地元の人たちなどが待ち構え、沖縄と台湾合わせて総勢50人ほどになったのではないか▼地元の人が果物やお茶を用意してくれたテーブルに次々と手が伸びる。遺族は「こんなにたくさん集まるのは見たことがない」と目を丸くしていた▼スタンダードナンバーの「スタンド・バイ・ミー」をギターで演奏して供養する一幕もあり、廟の前はボルテージが上がった。それでも、遺族の手は何度もハンカチを探した。父、石底加禰氏が事件に巻き込まれたと訴えている具志堅美智恵さん(83)=豊見城市我那覇=は「父のことを話すと、いつも涙が出てくる」と繰り返した▼當間ちえみさん(67)=那覇市宇栄原=は、沖縄から持ってきた紙銭をあぶり、祖父の仲嵩實氏に語り掛けた。「これで若いころできなかったことをやってね」。にぎやかさに今生も後生もない▼遺族が犠牲者認定を申請したのは2016年11月。7年以上を費やし、3度目の正直に懸ける▼當間さんは促されて訪問団の前に立ち、あいさつした。「祖父のことを忘れないでほしい。みんなに忘れられたら、本当に死ぬことになる」と。(松田良孝)

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