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強制疎開の歴史共有を 八重山平和祈念館

八重山平和祈念館で行われている企画展「強制疎開―八重山と小笠原・硫黄島―」=1日、同館第2展示室

八重山平和祈念館で行われている企画展「強制疎開―八重山と小笠原・硫黄島―」=1日、同館第2展示室

来月3日まで企画展

 共に強制疎開を経験した八重山と小笠原・硫黄島の歴史を知ってもらおうと、八重山平和祈念館の企画展「強制疎開―八重山と小笠原・硫黄島―」が1日、同館第2展示室で始まった。同館の綿貫円学芸員は「小笠原・硫黄と同じように強制疎開を経験した八重山の人たちにとって、共感できる部分も多いと思う。他地域の歴史も知ることで、『強制疎開』についてより理解を深めてほしい」と呼び掛けている。入場無料。3月3日まで。

 小笠原・硫黄島の強制疎開は1944年に行われ、ことしで80年の節目を迎える。企画展では戦前の暮らしから戦中の強制疎開、戦後の状況までを時系列で展示している。

 小笠原・硫黄は欧米系や日系、太平洋の島国などさまざまなルーツを持つ人が合わさってコミュニティーを形成している独特な地域。さまざまな文化が共存している様子が、写真や解説文で分かりやすく紹介されている。

 展示などによると、小笠原・硫黄島の強制疎開では、島民が一カ所ではなく日本本土各地に散り散りになった。生活基盤がなく苦しい生活を余儀なくされたことや、外国にルーツがある人が敵国の人間として差別の対象になったこともあったという。

 八重山の展示では、戦争マラリアで島内外の有病地へ強制的に避難させられたことなどをパネルで解説。戦時中の惨状に加え、今回は同館が建設されるきっかけとなった「戦後補償」に関する要請活動なども紹介されている。

  • タグ: 強制疎開
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