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石垣島でのみ生息するイシガキニイニイが…

 石垣島でのみ生息するイシガキニイニイが7年連続で確認できなかった。最後に確認されたのは2016年の調査。唯一の生息地のヤエヤマヤシ群落付近で4匹が見つかっただけだ▼生息地は厳重に保護されており、環境は変わっていない。生態系は複雑。原因が分からず保全に限界があるのが現状だ▼「小さなセミがいなくなってどんな影響があるのか」。そう思う向きもあるだろう。長い進化の歴史の中で多くの種が誕生。生態系は、その種と種が複雑に絡み合う相互作用で成り立つ▼われわれ人類は、その生態系から多くの恩恵を受けている。カビから発見されたペニシリンなどの抗生物質は多くの命を救った。食料はほとんど生物起源だ。現代では、自然や生き物の持つ低環境負荷で高度な機能を学ぼうというネイチャーテクノロジーが脚光を浴びる▼人類は、これからも生物多様性から役に立つものやアイデアを享受し続けるだろう。わが国では生物多様性基本法という法律によって生物多様性の保全が「人類の生存の基盤」「文化の多様性」を守ると定義されている▼国際目標では30年までに生物多様性の損失を食い止め、反転させ、回復軌道に乗せる「ネイチャーポジティブ」の方向性が示されている。わが子、孫のためにこのことを考えてみよう。(立松聖久)

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