「サンニヌ台」国名勝に 文化審議会
太平洋に向かってテラス状に張り出すサンニヌ台(与那国町提供)
名称変更と巨樹2本に加え、新たに幼木を含む自生地一帯が国の天然記念物に追加指定された「石垣島平久保のヤエヤマシタン自生地」=17日午後、平久保
国の文化審議会(佐藤信会長)は20日、与那国島の景勝地「サンニヌ台」を、新たに天然記念物と国の名勝に指定するよう盛山正仁文部科学大臣に答申した。すでに天然記念物に指定されている石垣島の「平久保のヤエヤマシタン」は「石垣島平久保のヤエヤマシタン自生地」に名称を変え、範囲を広げて追加指定するよう求めた。
サンニヌ台は島の南東部にある軍艦岩から立神岩までを含む約1・3㌔の範囲にある岩石海岸。連続するダイナミックな断崖と階段状の地形がみられ、島を代表する景勝地となっている。指定面積は31万7913平方㍍。天然記念物の部の「地質鉱物」、名勝の部の「岩石」「海岸」で指定される。
地層はユーラシア大陸から運ばれた砂や泥を起源とし、海底に生息していた生物の生活跡「生痕化石」が保全。正断層の構造を詳細に観察できる露頭も良好に保全され、逆断層や横ずれ断層が多い日本列島では貴重な場所となる。
与那国島の成り立ち、岩石海岸の風化や侵食のプロセス、断層構造、生痕化石の観察地として学術的に貴重と評価された。
石垣島のヤエヤマシタンは1959年、琉球政府が天然記念物に指定。その後、沖縄が本土復帰した72年に国指定となった。
指定木2本は、樹齢100~150年とされ害虫被害もあるなか、市教育委員会が樹勢回復作業を実施。近年、種子をつける成木や幼木など後継木が多数育成していることから、追加指定で自生地一帯を保護するもの。新たな指定面積は8566平方㍍。
玉城デニー知事はサンニヌ台について「与那国島のみならず琉球列島の変遷を知る上で貴重な場所」と位置付け、「2件とも地域の人々が古くから大切にしている場所。文化財の適切な保護と保存、継承に努める」とコメントを発表した。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。