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山形県米沢市で進む風力発電施設開発計画に…

 山形県米沢市で進む風力発電施設開発計画に対し、事業の中止を求める声が上がっている。事業者のJR東日本エネルギー開発がまとめた環境影響評価準備書が実際の調査内容とは異なるというのだ▼問題の発端は、希少野生生物「イヌワシ」の生息状況について。準備書では、イヌワシの巣は開発予定地から10㌔以上離れていることになっているが、実際の位置は目と鼻の先。2㌔余りしか離れていなかったという▼同社に対し、事業の中止を求める意見書を専門家や研究機関が提出した。山形県は信ぴょう性についての聞き取りを始めた▼この不正を告発したのは、調査会社の良識ある社員たちだ。そのうちの2人は事実が隠蔽(いんぺい)されたことに憤りを感じ、会社を辞めたという。告発がなければ工事が進んでいた可能性があると思うと恐ろしい事件だ▼今回、環境影響評価の根本をゆるがすような重大な出来事が明るみに出た。風力発電以外にも大規模な開発が日本各地で行われている。このような改ざんが、ほかでも起こっていないか心配になる▼風力発電は再エネの雄としてもてはやされ、CO2削減を目指す国の事業支援も盛んだ。一方でこのような不正がまかり通るとしたら有害無益。環境影響評価のありかた、実効性が問われている。(立松聖久)

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