八重山毎日新聞社

　「フェリーよなくに」に友人3人と乗った。与那国島に勤務する友を頼って2泊3日の夏休み旅行。与那国島には何度も取材で行っているが、船で渡るのは初めてである▼島民にとって、よなくには生活物資を運ぶ生命線。貨客船とは言え、貨物優先で客室は雑魚寝用のスペースがあるくらいだろうと思っていたが、まったく違った▼客室のエントランスにはソファスペース。船首側にシートがあり、まるでファーストクラスのよう。2段ベッドの寝台席もある。後方デッキには固定式のイスとテーブル。気持ちよさそう。ここに席を決めた▼午前10時の出港。さっそく乾杯し、非日常をスタートさせた。しばらくすると、海鳥がやってきた。十数羽が船の周りを縦横無尽に飛び交う。船に驚いて海面上を滑空するトビウオを狙って突っ込む。この光景を見るだけでも楽しい。約4時間の船旅。幸い波は穏やかで快適だった▼翌日は船釣りへ。久部良港を出てすぐ近く。海から見ると断崖絶壁の島だとよく分かる。荒々しい。島からわずか数百㍍のところで水深50㍍以上。体長約1㍍、重さ約16㌔の大物も釣れた。こんな近くでと驚き、与那国の「強烈」さをまた体感した。釣った魚はその夜の宴会のメイン料理に▼お世話いただいた島の皆さん、ふがらっさ。（比嘉盛友）