八重山毎日新聞社

　私用パソコンが壊れた。わずか2カ月の間に2台。なんの因果か、悪いことをした覚えはないけれど、壊れたものはしょうがない。無理を言い、社用のマシンで急場しのぎの原稿を書いている▼生来の悪筆のゆえに、文字を書かなくて済む職場のＯＡ化は大歓迎だった。習得に力を入れ、ワープロの打鍵速度は庁内でも指折りと自負するまでになった▼平成に入って数年後、今度はコンピューターがやってきた。表計算をはじめ実にさまざまな機能を搭載して。なぜか比例して仕事も増え、私用マシンを購入して自宅でも仕事するように。なんのための電子化か。文章作成に特化した作業を続けた結果、それ以外の機能を駆使するスキルは身につかず▼それに比べて小中高生を含む若い人たちのデジタルスキルの高さは、目を見張るものがある。夏休みの間、子どもたちがスマホやパソコンなど電子機器の動画視聴に熱中するのを目にしたはずだ▼この世は興味深いものに満ちている。思春期ともなればなおさら。だが、ヘイトや悪意に満ちたＳＮＳもある。デジタルスキルはあれど、それらを取捨選択するスキルはあるか▼私用マシンは5代目。でも、メールやウイルス対策など初期設定のスキルがない。知人の手をわずらわせるわが身を嘆きつつ、子らをとりまく世界を思う。（慶田盛伸）