八重山毎日新聞社

5月、那覇発午後4時30分の1便しかない宮崎行きを石垣島からの乗り継ぎで利用した。帰りも宮崎発那覇行きは朝9時10分発▼2泊3日の宮崎の旅は初日、ホテル移動でおしまい。自由に動けるのは2日目だけ、3日目も早起きして空港へとせわしい▼その逆の宮崎発着の旅は同じ3日間が有効に使える。県外客を数多く呼び込みたい那覇空港のダイヤなので、こちらは不便だなあと思うしかない。この編成は観光を看板に掲げる全国すべての離島空港の悩みでもある▼石垣島の例でも、県外空港を結ぶほとんどが石垣での滞在時間が長く取れる発着時間帯になっている。ことに首都圏は島から夕方出ても空港からの交通網が至便なので、近年は石垣発が日没後、午後10時過ぎに現地着というものまである。島のビジネス客には好評のようだ▼娘や孫が出迎えの都合でこの便を指定してきたので利用して往生した叔母の話を聞かされた。定刻通りに飛べば親子の住む郊外へ電車で余裕を持って行ける計算。ところが叔母の乗ったその便はその日に限って到着遅れ、荷物を受け取り出迎え口で待つ親子に託すと急かされるまま乗り継ぎ駅まで一斉にかけっこ、島では決してない体験をさせられた▼「飛行機だけは明るいうちに目的地に着くのが一番」とコリゴリの様子。（仲間清隆）