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八重山の畜産農家が子牛価格の低迷と…

 八重山の畜産農家が子牛価格の低迷と飼料価格高騰のダブルパンチに苦しんでいる▼八重山家畜セリ市場の7月のセリ価格は子牛一頭当たりの平均価格が約48万円、黒島は40万円。70万円台後半だったピーク時と比べ30万円以上の大幅な値下がりだ▼20万円を切っていた過去の低迷期の価格と比べるとまだ高いようにも見えるが、決定的に違うのが飼料価格など生産コストの高騰。ある石垣市内の畜産農家は「飼料、肥料が昔の2倍」、黒島の農家は「雌は生まれた時から赤字」と苦しい現状を口にする▼子牛生産は、比較的豊富な草地があり、牧草を自前で調達できる沖縄と北海道で生産が伸びてきた。その沖縄の中でも素資料自給率の高い八重山でさえ経営が厳しい価格帯となっている▼飼料価格の高騰は、ロシアのウクライナ侵攻に始まった餌となる穀物不足や円安や原油高に伴う海外からの輸送費高騰。これらが飼料価格高騰として肥育農家の経営も直撃。枝肉価格が頭打ちで、生産コストが上昇することで、新たな肥育素牛となる子牛価格を抑えざるをえない状況だ▼海外からの入域観光客が増え、枝肉の消費には一定の光が見受けられるが、飼料価格高騰の先行きは見通せない。この状態が長引けば、体力の弱い畜産農家の廃業が加速する恐れもある。(下野宏一)

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