八重山毎日新聞社

　7月8日。晴天。気温は30度超。人工島のフェリー岸壁から市街地を目指す人たちが列をなして歩いていた。台湾からのクルーズ船で石垣島に来た人たちだ▼この船の利用者とみられる人がフェイスブックに「コロナ前とは違い、石垣島で降りてみると、タクシーがまったく見つからない」と投稿をしていた。市街地まで20分かけて歩く間に、小さな子どもや高齢者が道端で休んでいる姿を目にしたという。「港から市街地向けに公共のバスを走らせてほしい」と要望していた▼筆者が見たところ、移動手段を予約せずにやってきたフリーの人たちの中にもタクシーに乗れた人たちがいるにはいた。15人ほどのグループは、中国語と台湾語が話せる石垣島の住民とその場でたまたま巡り合えたことが幸いしていた▼夏のこの時期、八重山の住民であれば、真昼に歩いて移動するのはためらわれるのが相場だ。台湾の人も同じである▼このご時世、人手不足だからフリーのお客さんへの対応にむらが出るのもやむなしとするのか。予約客だけを受け入れるのか。あらかじめ台湾側に伝えておくべき情報はないのか▼クルーズ船の入港日程は石垣市役所のホームページで公表されている。人工島で何が起きているのか。関心をお持ちの方にはぜひご覧いただきたい。（松田良孝）