自慢の歌声を披露 県内9島から60人集う
【西表】離島振興総合センターでこのほど「全島しまうた交流会in西表島2023」が開催された。八重山古典民謡保存会の大浜修・中島もえ研究所のメンバーらが中心となって準備し、西表島、沖縄本島、久米島、粟国島、南大東島、宮古島、石垣島、黒島、新城島の9島の唄者と関係者ら60人が集った。指笛、四つ竹が響き、みんなで歌い踊る楽しい交流会となった。
同交流会は、県内の島々に根を下ろし島で生活を営む唄者たちの流派・会派の垣根を越えた集い。各島に他島の唄者を迎え、それぞれの伝統文化芸能への理解と親睦を深めることを目的としている。
日本トランスオーシャン航空(JTA)の沖縄観光情報サイト「おきなわ探訪美ら島物語」(2001〜2018)でライターの安積美加さんが島々の唄者と「しまうた」を連載(2011〜2016)で紹介するした際、取材した唄者から「他の島の唄者と交流したい」との声を受け、久米島取材で縁のあった平良朝英さんに相談して交流会が実現した。
安積さんを司会に14年5月に久米島で第1回、17年5月に宮古島で第2回、19年5月に与那国島で第3回が行われ、西表島は4回目。平良さんは「メンバーとの再会と新たな参加者との出会いが楽しみ。西表島に来られてうれしい」と喜んだ。
西表島では地元の唄者が用意した島の食を囲み、島々からの土産の酒を酌み交わし、リラックスした雰囲気でそれぞれの島に伝わるしまうたを交互に披露した。
ラッパーの地域バンド「古美にてぃーず」がオープニングを飾り、大浜修・中島もえ研究所のメンバーが「鷲ぬ鳥節」「かたみ節」「めでたい節」を演奏した。この後、プログラムはなく、くじ引きで順番を決定。黒島から宮良寿さん、石垣島から金城弘美さん、西表島上原からは昨年のとぅばらーま大会最優秀賞の平良昌裕さんが登場した。
おおとりで大浜修さんが新城島の「くいぬぱな節」と「デンサー節」を歌い上げ、最後は宮古島の「はるみずクイチャー」の巻き踊りで会場が1つになった。
第5回は2年後に南大東島で行われると発表されると、同島の濱里保之さんは「ちゃーすがや(どうしようか)。なんくるないさー大歓迎」と来島を呼びかけた。
前泊正人町長も訪れ、「島々の唄者が手弁当で集う自由な雰囲気の交流会は初めて。情緒あふれる島々の唄。唄が思いをつないでいると強く感じた。聞いている子どもたちの耳にも残り次の世代にもつなげてほしい」と話した。島々の子ども同士も親しくなり、楽しい時間を過ごした。(東部通信員)
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