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そのまがまがしさにおののく。自衛隊の地対

 そのまがまがしさにおののく。自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の展開を南ぬ浜町に見に行った。鉄条網越しにミサイル発射機やレーダー車両、補給車両など多くの見慣れない迷彩車両、小銃らしきものを持つ隊員が見える▼北朝鮮の軍事偵察衛星発射は台風2号接近中の5月31日朝だった。PAC3は陸自石垣駐屯地で発射機を折り畳んだまま。機能を生かすことなくJアラートは解除され、かの国のもくろみは失敗した▼台風接近という条件下の判断である。とはいえ、国民保護よりPAC3という武器の保護を優先した事実が残る▼現場に行って気付いたこと。空が高く、山は遠く、かつ低い。さえぎるものがなければレーダーの「視界」は実に広い。於茂登山の懐に隠れるような立地の石垣駐屯地は、「視界」が閉ざされ展開に不向きなのだろう。サッカーパークあかんまも同じ理由か。島の北西部で東シナ海に面した平地は少なく、「適地」は南ぬ浜町以外にないのかもしれない▼北朝鮮は次の打ち上げを「すぐ」と宣言している。一方で通告期間あいまい戦略の可能性もあり、思惑に翻弄(ほんろう)される展開になるかも▼南ぬ浜町で同じものを見て「守られている」と安心する人と、不安を覚える人。異なる価値観は、見える「視界」も違うのだろう。(慶田盛伸)

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