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生まれ島を離れて暮らしていると、郷愁にか…

 生まれ島を離れて暮らしていると、郷愁にかられることがある。高校卒業後に東京で暮らしていたころ、初めて三線の音を求めたことがあった。自ら八重山や沖縄の民謡を聴こうという気になったのは生まれて初めてのことである▼それまでは朝夕の「親子ラジオ」から唄三線が流れ、結婚式で「鷲ぬ鳥」や「マミドーマ」を見たり踊ったりと、伝統芸能が身近にあった。県外での暮らしに、それはない。懐かしく感じたのだろう▼伝統文化の資源化や継承で先進地となっているハワイに、沖縄県が高校生を派遣する伝統芸能分野海外就業体験事業があり、八重山からは八重高郷土芸能部の藤原礼さん(2年)と前原心愛さん(1年)、山本心花さん(同)が参加した▼日常生活に溶け込んでいる伝統の芸能、文化、言葉。それらに対する誇りと豊富な知識。衝撃を受けるとともに恥ずかしく思ったと言い、「派遣事業を通して得た気づきを、生まれ育った石垣島で生かしたい」として課外活動「ゆいんちゅ」を企画している(5日付1面)▼市長や教育長への報告で「私たちにはやる気はある」「島の芸能を盛り上げていきましょう」と呼び掛けた▼高校生が芸能と人や場所、心を結びたいと決意している。頼もしく誇らしく思う。ぜひ、みんなで協力しよう。(比嘉盛友)

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