八重山病院、人工膝関節手術400回
- 2025年03月06日
- 地域・教育
患者の瓦さん「石垣でできてよかった」
県立八重山病院(和氣亨院長)は5日、人工膝関節全置換術が400例に達したと発表した。すり減った膝関節を削り、取り除いた部分に人工膝関節をはめ込む手術。2月13日に400例目の手術を受けた瓦菊之さん(73)=大川=は「石垣島で手術ができてよかった。歩けるようになって感動した」と喜び、6日に退院する。
同院では、2007年2月に赴任した浦崎賢演外科部長が準備期間を経て同10月に八重山初の人工膝関節全置換術を開始。現在は浦崎部長、津覇雄一医師、仲里翔太医師の3人で週1回行っている。手術に要する時間は90分前後という。
手術を受ける患者のほとんどが変形性膝関節症で、膝の軟骨がすり減って痛みや膝の変形(О脚)によって日常生活に大きな障害を抱えているという。
瓦さんも左膝の強い痛みで歩行困難となり、車イスで受診。重度の変形性膝関節症と診断され、2月13日に手術を受けた。2日後の15日からはリハビリ室で平行棒内歩行訓練を開始し、つえで歩行できるまでに回復した。
瓦さんは「本島の病院に行こうか迷ったが、八重山病院で手術ができると聞いてホッとした。手術前は痛くて歩けなかったが、手術後は痛みがなくなった。全然違う。リハビリも楽しく、スムーズに歩けるようになって涙が出るほど感動した。ここまでたどりつくことができたのは先生方のおかげ」と感謝、「退院後の生活が楽しみ」と笑顔をみせた。
人工関節は、コバルトクロム合金ができた骨と摩耗に強い超高分子ポリエチレン製の軟骨を使う。メリットとして痛みの軽減、関節機能の回復、活動的な生活、人工関節の長期耐久性などがある。
一方、人工関節にばい菌が付着して感染症を発症するリスクがあるが、旧病院から2018年9月に移転した現病院には「クラス100」というトップクラスのクリーンルームが完備され、手術は同ルームで行われている。
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