台湾を代表するモデル、林志玲(リン・チーリン)の…
- 2025年03月03日
- 不連続線
台湾を代表するモデル、林志玲(リン・チーリン)のことは、EXILEのAKIRAと結婚したことで知ったという読者もいるかもしれない。父親は台南市後壁の出身だ▼「大学の先輩の実家が後壁で古いしょうゆ屋をしているので、一緒に見に行きませんか」。知人の台湾人に誘われた▼人口2万人ほどの農村地帯。先輩氏は林志玲の父親の出身地がどの辺りなのか話してくれたり、土地のおいしいものをおみやげにくださったりと、もてなしに余念がない▼筆者は20年前、後壁を2度訪れている。アジア太平洋戦争末期、石垣や宮古から台湾に疎開し、後壁にあるサトウキビ工場の宿舎で暮らしたという体験の取材が目的だった。先輩氏の話によると、日本統治期、その工場は関係者以外の出入りはほとんどなく、そこがひとつのコミュニティのようだったそうだ▼かつての台湾では沖縄の人は台湾人にとりわけ親切にしてもらったと言われることがある。一方、沖縄出身者は本土出身者と同様に「内地人」として扱われた。沖縄出身者に対する印象は濃くも薄くもある▼先輩氏のしょうゆ屋は、疎開者が世話になった戦争の時代とその後の戒厳令の時代をくぐり抜け、100年の歴史を刻む。原料は黒豆。ほのかな甘みが独特だ。5代にわたって醸造が続く。(松田良孝)
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社八重山毎日新聞は一切の責任を負いません。
関連するニュース
- 関連するニュースはありません。