与那国町 地震・津波想定し防災訓練
【与那国】令和6年度の与那国町防災訓練が2日、地震や津波の災害の発生を想定して町内各集落で行われ、大勢の町民が避難経路や避難場所を確認し、万一の災害発生に備えた。
午前10時に防災無線で、地震発生に伴う避難指示の放送が流れると、町民は各居住区に指定された避難経路を確認しながら避難場所へ徒歩で移動。車椅子など自力で移動するのが困難な在宅要配慮者の避難は対象者の自宅内で町役場長寿福祉課の職員が代役となり、避難に伴う移動時のシミュレーションを行った。避難経路には誘導員を配置し、スムーズな避難を補助した。
祖納集落の西地区は高台の保健センター裏が避難場所となっているが、北風と海風が強かったため保健センター内に変更。63人の住民が避難したが、もっとも遅い到達者は7分以上かかっており、「避難場所の再検討が必要ではないか」、「誘導員も状況を知り、連絡のとれる無線が必要だ」との意見があった。
避難訓練後、与那国中学校体育館内で、久部良ナーマ浜の観光客の避難訓練や救助者搬送訓練の様子をライブ中継した。このほか、会場には非常食の試食や自衛隊の人命救助セットや浄水セット、非常時のテントやトイレなどが展示され、参加した町民は展示物の説明を聞いたり、使い方を教わったりしていた。
糸数健一町長は「災害はいつ来るか分からない。そのための備えをし、常に意識しておいてほしい」と呼びかけた。お友達ときていた与那国小2年の男子児童は「けがをしている人をヘリコプターにつり上げて乗せるためのタンカに乗せてもらった。体が固定されてるから周りが見えなくてドキドキした。これが空に運ばれている途中なら怖いだろうなぁ」と話した。(田頭瑠都通信員)
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