黒島旧正月 伝統の大綱引きに沸く
無病息災や五穀豊穣を祈願
【黒島】旧暦1月1日の旧正月にあたる29日、黒島東筋集落と仲本集落で伝統の大綱引きが行われた。このうち東筋では地域住民や郷友総出で南北に分かれて綱を引き合い、ことし1年の無病息災や五穀豊穣を引き寄せた。
午後1時半ごろ、島内の西神山御嶽で初願いを済ませた神司の又吉恵美子さんが黒島芸能館前広場に到着すると、住民らがドラと太鼓をたたいて行事の始まりを告げた。
南北に分かれて正月ユンタを歌い、新年を迎えた喜びと感謝を表現。女性たちは「サーサーサー」のかけ声で踊りながら中心に集まった。シナヌミンが披露された後、観覧者も参加して北と南に分かれて力いっぱい綱を引いた。
黒島の綱引きは港がある北側が勝つと豊漁、畑のある南側が勝つと豊作になるといわれており、ことしは久々に北が勝利をおさめ、住民らは豊かな海の恵みに期待を寄せた。
綱引きの後は豊作をもたらす五穀の種子を授ける儀式が厳かに進められ、弥勒(ミルク)、ソウザからツクドゥンへと五穀の種子が受け渡された。
ミルクを務めた野底俊和さん(56)は「住民の健康と島全体の豊漁豊作を願った。黒島は牛の島なので、セリ価格が上がってほしい」と願った。
東筋支会の又吉清眞会長は「天気にも恵まれ、東筋村の最大行事を盛り上げていただいて感謝。今後も東筋支会がますます繁栄することを祈願したい」と述べた。
最後は関係者があいさつを述べ、万歳で盛大に締めくくった。
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