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人間国宝 新垣氏を祝う

新垣幸子氏(前列中央)と実行委員会構成団体の代表ら=26日夜、アートホテル石垣島

新垣幸子氏(前列中央)と実行委員会構成団体の代表ら=26日夜、アートホテル石垣島

「最高の喜び、誇り」
石垣で祝賀会、各界から230人

 国重要無形文化財「八重山上布」保持者、新垣幸子氏(79)=石垣市登野城=の人間国宝認定記念祝賀会(同実行委員会主催)が26日、市内ホテルで開催された。各界各層から約230人が訪れ、八重山上布初の国重要無形文化財指定と石垣市在住者初の人間国宝認定を喜び合った。新垣氏は「後継者育成に力を注ぎたい」と決意を新たにした。

 

 八重山毎日新聞社の垣本徳一社長の開会あいさつに続き、実行委員会会長の中山義隆市長は八重山上布の国重要無形文化財指定と新垣氏の人間国宝認定について「八重山郡民のみならず全ての県民や関係者にとって最高の喜び、誇りである」と述べた。

 「多様な植物染料を生かした透明感あふれる色彩で、自由でのびやかな絣模様が展開されており、独自の感性を生かした大胆で斬新な絣構成を特徴としている」と作品にも触れ、長く途絶えていた括り染め技法の復活や後進の指導などの功績に敬意を表した。

 染色研究科の與那嶺一子氏は、新垣氏が織物を志したときから現在までの歩みを画像で振り返った後、「八重山上布は先祖が人頭税として織ってきたもので、私は通過点の1人に過ぎない。後輩たちに確実に引き継ぎたい」と2010年に新垣氏から届いた手紙の要約を紹介、「先生の強い意志を感じた」と感極まった様子で話した。

 舞台では、新垣氏が衣装を手がけた「赤馬節」と織物を制作した「桴海布晒し」、八重山上布にちなんだ「苧引き」が披露され、祝賀会に花を添えた。

 祝辞は玉城デニー知事(半嶺満県教育長代読)、市文化協会の新城知子会長、「首里の織物」人間国宝の祝嶺恭子氏、元内閣府特命担当相の西銘恒三郎衆院議員、沖縄美ら島財団前理事長の花城良廣氏が行い、乾杯の音頭を石垣市商工会の大濵達也会長がとった。沖縄タイムス社の武富和彦社長のあいさつで閉会した。

 

  • タグ: 国重要無形文化財八重山上布新垣幸子石垣市
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