石西礁湖 サンゴ被度13・7%に低下
- 2025年01月24日
- 自然・科学
環境省は23日、石垣島と西表島の間に広がる石西礁湖でサンゴの白化現象を昨年12月に調査した結果を発表した。全調査地点の平均白化率は9月調査時の84・0%から65・5%に回復する一方、生きているサンゴが占める範囲を表す平均被度は17・4%から13・7%に。30度を超える夏季の海水温が例年だと9月初旬までだが、2024年は9月下旬まで継続したことが要因の一つとみられる。22年の大規模白化以降、緩やかに回復してきたサンゴの被度が今回の大規模白化で低下に転じた。
調査は24年12月1日から同6日まで31地点で実施。50㍍四方の区間でサンゴの状態を健全、薄色、白化、死亡の4階級に分類し、それぞれの被度の割合を記録した。夏場の海水温が高かったことから、6月と9月の定期調査に加え緊急的に行った。
白化状況は健全が34・5%で、それ以外の白化率に含まれる薄色が38・1%、白化が1・8%、死亡が25・5%だった。
平均白化率や死亡率が高かったのは黒島北側の海域。平均白化率が低かったのは小浜島北側から竹富島北西側のリーフにかけての石西礁湖北部の一部。
サンゴの被度は多くの地点で22年の大規模白化から緩やかに回復していたが、昨年9月の大規模白化のピークに多くの地点で低下。12月調査では、9月調査時の白化群体の一部が死んだためさらに低下する結果となった。
24年の沖縄地方の平均気温は、統計を開始した1946年以降で過去最高を記録。環境省によると同年の石西礁湖の日平均水温が30度以上となった日数は90日と16年や22年の大規模白化の年を大幅に上回り、7月20日には31・9度と過去最高を記録している。
同省石垣自然保護官事務所は、今回の結果を踏まえ、来年度も引き続き今回の大規模白化現象の影響を精査するとともに、これらの結果を石西礁湖自然再生協議会などで報告する。
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