防衛相、与那国駐屯地など視察 国防の「最前線」に
- 2025年01月23日
- 政治・行政
【与那国】中谷元防衛相は22日午後、石破内閣で就任後初の自衛隊部隊の視察で与那国島の陸上自衛隊駐屯地などを訪れた。糸数健一町長との面談も行った。午前中は有事の際の島民避難などの現場視察を目的に竹富島と波照間島を訪問。竹富東港や波照間空港、波照間漁港を現地確認したほか、竹富島の大石隊戦没者慰霊之塔と波照間島戦争マラリア犠牲者戦没者慰霊之碑で献花した。中谷防衛相は、日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増しているとの認識を示し石垣島や与那国島が国防の「最前線」となると指摘。南西諸島の防衛力強化に取り組む考えを示した。(8・9面に関連)
この日は、自衛隊のヘリコプターで与那国空港に到着。与那国駐屯地で出迎えを受けた後、同駐屯地内の体育館で隊員らを前に訓示した。
その後、与那国町役場で糸数健一町長と面談。駐屯地への協力に感謝したほか、昨年の日米共同統合演習の際、陸自輸送機のV22オスプレイ1機が離陸時に事故を起こしたことについて陳謝した。
八重山視察の全日程を終えた中谷防衛相は、記者団の取材に応じ「海空域の情勢が活発化している。視察を終えて現場の隊員の状況や地域の情勢を伺うことができた。24時間365日、一瞬の隙間もなく緊張を強いられながら監視を続けている隊員の仕事ぶりを見て、激励できたということは有意義だった」と振り返った。
与那国島の今後の防衛体制の強化については「与那国駐屯地には、防空を担う地対空誘導弾部隊を配備する計画。必要な施設整備をしっかりとやっていきたい。島民の平和な暮らしを守るため、訓練を積み重ねていくことによって抑止力と対処力を向上させていきたい」との考えを示した。
国民避難のありかたの検討を目的に訪れた竹富町については「昨日は、山城副町長から国民保護措置として住民避難の説明を受けた。綿密に詳細に計画されていた。国境離島における強い危機意識を感じた。本日は、竹富島と波照間島を訪れ島外避難となる空港と港湾の現場を確認した。国民保護には、自衛隊が果たす役割が大きい。沖縄県の国民保護共同訓練や政府や県が実施する訓練を通じて自治体との連携を一層強化していくことの重要性をあらためて認識した」と述べた。
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