八重山病院 選定療養費を改定
- 2025年01月22日
- 地域・教育
地域医療支援病院の知事承認を目指す県立八重山病院(和氣亨院長)は、来年度から医科と歯科の初診時と再診時の選定療養費を改定する方針を決めた。初診患者に占める他の医療機関からの紹介患者の割合を増やし、1次医療と2、3次医療のすみ分けを促すことが目的。承認によって限られた医療資源を最大限に生かすとともに、患者の待ち時間短縮など医療サービスの向上が期待される。
地域医療支援病院は、かかりつけ医やかかりつけ歯科医を支援する能力を備え、地域全体の医療の確保を図る病院として都道府県知事が個別に承認するもの。
県内では八重山を除く、宮古、北部、中部、南部医療センター・こども医療センターの4県立病院のほか、北部地区医師会病院、中部徳洲会病院など13機関が承認済み。地域の医療機関との医療機器の共同利用や救急医療の提供、地域の医療従事者に対する研修の実施など地域全体の医療体制の強化に取り組んでいる。
承認されるとCT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)など共同利用する高度医療機器に補助金が適用されるほか、入院診療加算が引き上げられるなど病院経営の安定化にもつながる。
地域医療支援病院として認められるには、町の診療所からの紹介状で受診する患者の比率や八重山病院で受診や治療後を終え、元の診療所がその患者の継続治療を行えるようになった場合に送る「逆紹介」の比率などの要件が決められている。
同院の23年度の紹介率は26・8%、逆紹介率は34・0%。24年の月平均では約1400人の初診のうち、約470人が選定療養費の支払い対象となった。
同院では1080円だった初診加算料金を2018年10月、2160円に引き上げ。消費税増税に伴い2019年10月からは現在の2200円。再診時は無料となっていた。
今回の改定では医科の初診が7000円、歯科が5000円、再診時はそれぞれ3000円と1900円に引き上げられる。
すでに地域医療支援病院となっている県立4病院の選定療養費は今回、八重山病院に導入される料金体系と同水準に22年10月に改定されている。
選定療養費の対象とならないのは、紹介状を持参や定期通院中、受診当日に入院、緊急な診療や治療の必要性、公費負担医療対象者(こども医療、母子医療は除く)などとなっている。
同病院では「地域の診療所やクリニックに『かかりつけ医』を持ち、必要に応じて当院を受診してほしい」と協力を呼びかけている。
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