自分が生まれた日の新聞を読んだ。ある年の…
- 2025年01月22日
- 不連続線
自分が生まれた日の新聞を読んだ。ある年の9月4日付、琉球新報に八重山地区登野城婦人会の大浜文子さん(ご健在でしょうか)が「家族の健康と主婦の役割」という文章を寄稿した▼そこには、食品の原材料欄にあるグルタミン酸ナトリウムやグアニル酸ナトリウムといった添加物を指し「栄養どころか、まるで化学薬品のお化けの大行進」と書かれ、自然に近い食べ物がいかに大事かを訴えていた。当時からこんな意見があったとは驚きだ▼それに比べて今は、健康志向がかなり高まって、無添加食品を求める人が増えた。有機野菜やうま味調味料を使わない食品を売る店が沖縄本島でにぎわっている▼先日、那覇市の奥武山公園で「島ふーどグランプリ」というイベントがあった。そこで石垣市の精肉店「ぼーのファーム」が開発した食品が最優秀賞を受賞した(21日付1面)▼その原材料は、石垣島産の牛肉と塩だけというシンプルさ。うま味調味料や着色料、発色剤を使わない無添加商品としてPRし、審査員からも高評価を得たようだ▼振り返ると、何十年も前に食品添加物を「お化けの大行進」とやゆすることは、勇気ある意見だったはず。それが今では無添加食品を作るのも買うのも、当たり前の価値観となった。時代は変わってきている。(玉津盛昭)
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