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病に負けず イチゴ初収穫

初収穫に笑顔を見せる迎里政子さん(右)と米満晴美さん=15日午後、白保のハウス

初収穫に笑顔を見せる迎里政子さん(右)と米満晴美さん=15日午後、白保のハウス

甘味と酸味が程よく、果肉が中心まで赤く色づくのが特徴の紅ほっぺ

手探りで栽培「うれしい」 迎里政子さん・米満晴美さん

「手ごろな値段で、新鮮でおいしいイチゴを地域に届けたい」。その思いを胸に、「いちごの日」の1月15日、迎里政子さん(68)=白保=と米満晴美さん(60)=大浜=が丹精込めて育てたイチゴが、待望の初収穫の時を迎えた。艶やかに色づいた実を手に取りながら、2人は「手探りでの栽培だったけれど、ここまでたどり着けて本当にうれしい」と笑顔を輝かせた。

 この挑戦は2023年から始まっていたが、24年1月、迎里さんが脳梗塞で入院するという試練に見舞われた。家族からの心配の声もあり、断念も考えた時期があった。しかし、共同栽培者の米満さんは「水やりや手入れは私が担当するから、一緒に頑張りましょう」と、迎里さんの背中を優しく押した。

 今回収穫したのは、静岡県産のブランドいちご「紅ほっぺ」だ。程よい甘みと酸味のバランス、中心まで鮮やかな紅色の果肉、食べ応えのある大きさが特徴で、豊かな香りとビタミンCを兼ね備えている。

 栽培にあたっては、「あまおう」で知られる福岡の農家や県内のイチゴ農家から技術指導を受け、昨年12月中旬に苗を植え付けた。そして全国いちご消費拡大協議会が定める「いちごの日」に、記念すべき初収穫を迎えることができた。出荷は12月から翌年5月まで。「朝採りの新鮮なイチゴを、安心して味わっていただきたい」と迎里さんは意気込む。

 現在も左半身の不自由が残る迎里さんだが、つえをつきながら筆での人工授粉作業を担当。その丁寧な仕事ぶりは「ミツバチより上手かも」と冗談を飛ばすほどの確かな技術を見せている。

 2人は来年、1900坪の農地でハウス栽培2万株という大きな目標を掲げている。さらに、農福連携の実現や規格外のイチゴを活用したジャム作りやスムージーの製造販売など6次産業化も視野に入れる。「地域の子どもたちを招いて収穫体験をしたり、観光農園として開放したり」と米満さんが語るように、2人の夢は着実に広がりを見せている。

  • タグ: イチゴ栽培
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