「身近に感じられる」「感動体験」 新博物館建設推進シンポジウム
- 2024年12月01日
- 政治・行政
ことし4月に観光文化課内に博物館建設準備室を設置し、新しい博物館づくりに取り組んでいる石垣市は11月29日夜、「新しい博物館に求めるもの」をテーマに新博物館建設推進シンポジウムを市民会館中ホールで開いた。専門家や関係者が基調講演やパネルディスカッションを通して新博物館の役割・機能を提案した。市は今年度内策定予定の基本計画に生かす。
はじめに文化庁博物館支援調査官の中尾智行氏が基調講演。博物館法の一部改正(2022年4月)で、博物館が文化観光を推進して地域活力の向上に寄与するよう努めることを規定していると説明した上で「博物館活動も文化観光推進も活動の基盤にあるのは文化の価値と魅力」と話した。
この後、市立八重山博物館協議会副会長の山根頼子氏をコーディネーターに同協議会長の大田静男氏、同協議会委員の宮良断氏、全日本空輸㈱石垣八重山支店長の木下省三氏、中尾氏が意見を出し合った。
大田氏は博物館に関する聞き取りを列挙、小学5年女子の「暗い感じ。新しい博物館ができても行かない。調べものはスマホでできる」との話を紹介した上で「博物館は本物を展示している。新しい発見に導いていくことが大事。身近に感じられるよう建築の仕方も考えてほしい」と要望した。
木下氏は、期待値を上回ることが感動につながるとし、「新博物館も感動体験できるものになれば」と期待。自らの体験をもとに「バーチャル技術がどんなに進んでも超えられない本物だけが持つ力は存在する」と強調した。
宮良氏は、ただ物を展示するだけの博物館には「アクティブな感じがせず、物足りない」と指摘。自然や文化、伝統行事を紹介する際に映像や音声も活用するよう求めた。
中尾氏は、新八重山博物館が文化観光の拠点となる可能性について「私は八重山、石垣に初めて来たが、ユニークな文化があると思った。文化資源を味わいに来るのが文化観光。大きなポテンシャルがあると思う」と締めくくった。
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