中学生が一般質問体験 竹富町こども議会
竹富町こども議会が9日、町役場議会議事堂で初めて行われ、中学校9校から10人が参加した。一般質問を行った後、「私たちは夢と希望の実現に努めるとともに、ふるさと竹富町の明るい未来を力強く創造していく。よりよい竹富町を築いていくために、互いに協力して取り組んでいく」などとする町こども議会宣言決議を全会一致で可決した。
民主的な政治の仕組みと運営を理解させ、地域の課題解決に向け主体的に考える力を身につけさせようと、町教育委員会が町制施行75周年事業として初めて企画した。
議長に池村充喜さん(船浦中2年)を選出した後、一般質問を行った。登壇者は防災や児童福祉、税収、まちづくり、自然環境、デジタル技術など多岐にわたる分野で当局の対応をただした。
このうち、徳岡信馬さん(船浦中2年)は世界自然遺産登録に伴って導入された竹富町観光案内人条例を取り上げ、内容を答弁させた後、「日本でも革新的ですばらしい条例だが、住民から守っていない人もいると聞く。どう対応しているか」とただした。
通事太一郎自然観光課長は、11月10日から全部改正条例案が施行されると報告した上で「条例の周知を図り、職員による巡視、ガイドへの適切な指導などを今後も進めたい」と述べた。
石野真結子さん(波照間中2年)と保多盛碧海さん(同1年)は「波照間島にも空き家がたくさんある。宿泊施設や移住者向けに活用できないか」と提案。
大嵩安幸まちづくり課長は「今年度で空き家実態把握調査を行っており、所有者の家主に利活用していだけるかどうか調査している」と報告した。答弁によると、空き家は町内で111軒、波照間島で25軒ある。
砂川麗さん(船浮中1年)は「町の広報誌や防災無線などでDX課の名前を見たり聞いたりするが、そもそも何のために設置したのか。どのような業務を行っているのか」とオンラインで一般質問した。
横目欣弥課長は各島を巡回してスマホやパソコンの操作をサポートする「デジタルなんでも相談」、公式ラインの機能追加のほか各公民館へのパソコンと周辺機器整備に取り組んでいると紹介、「役場での会議に各島から参加できるので移動時間と船賃の削減が期待できる」と利点を挙げた。
ほかに隅田千代里さん(竹富中3年)、新里心さん(黒島中3年)、松永恵茉さん(小浜中2年)、奥村日和さん(大原中3年)、長澤あかりさん(西表中3年)、池澤ひな子さん(鳩間中2年)が一般質問を行った。
閉会後、議長を務めた池村さんは「緊張したが、議会事務局長のアドバイスでリラックスして進めることができた。政治は堅苦しいイメージがあったが、議場では笑いも起き、やわらかいイメージを持った」と感想を話した。
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