農産物への被害懸念 台風2号
- 2023年05月31日
- 社会・経済
大型で強い台風2号の接近で農産物への被害が懸念されている。特に収穫最盛期を迎えるパインアップルやこれからピークを迎える水稲が打撃を受ける恐れがあり生産農家らは、足の遅い台風の行方に気をもむ。台風の西側に雨雲が少なく、生産者らは台風後の塩害も懸念。中でも子牛の生産農家への影響は深刻で「風で潮が上がった後、雨が降らないと牧草が枯れる」と島内で不足する牧草へ追い打ちをかけかねない台風に不安の声を漏らした。
パイン畑では、出荷を控えたジュワリー(ハワイ種)に日よけのネットがかけられているが、強風でネットが揺れると折れてしまうことからひもで固定する必要がある。
出荷の早いポコット(ボゴール)やピーチパイン(ソフトタッチ)は、すでに収穫のピークを迎えており、川原のパイン農家の男性は「台風の前に慌てて収穫した」と話した。
今期、石垣島で530㌧、西表島で150㌧を見込んでいる一期米は6月上旬のピークに向け、各地で収穫の最盛期を迎えつつある。農家らは、台風前に刈り取りを済ませようと作業を急ぐが「まったく間に合わない」と台風接近の間の悪さを嘆いた。
マンゴーを栽培する島本農園では、台風に備えてハウスに防風ネットを設置するなどの対策を実施。同園の島本敏さんは「台風の進路図を見ると雨が少なそうだ。強風による実の擦れとともに、塩害が心配だ」と品質の低下を懸念する。
サトウキビ農家の福仲用治さんは「順調に育っている夏植えの倒伏が懸念される。北風、南風と風向きが変わると倒れたキビを起こすのが大変な作業となる。梅雨の雨が少なく、春植えと株出の根が十分に成育していないのも気になる。足の遅い台風によって長時間、風にさらされると根が持ち上がってしまう」と停滞する台風を警戒した。
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