水質基準「ほぼ達成」 陸自駐屯地周辺調査で
石垣市はことし1月に平得大俣の石垣駐屯地(仮称)周辺の3地点で採水した公共用水域と、地下水の水質調査結果をまとめた。環境基本法が定める「人の健康を保護し、生活環境を保全する上で維持することが望ましい基準」に関して「ほぼ達成している」と結論付けた。
調査は、駐屯地周辺の水質状況を把握するため、開設前と開設後に実施。採水場所は、開南集落内の井戸跡(地下水)、駐屯地の排水が直接流れ出る大里農道のボックスカルバート(河川水)、石垣島堆肥センター近くの小川(河川水)の3地点。
地下水は水質汚濁に係る28項目、河川水は生活環境5項目と健康27項目に加え、それぞれ有機フッ素化合物(PFOS、PFOA、PFHxS)を測定。
地下水は全て基準値より低く問題なかった。有機フッ素化合物は3地点で指針値(暫定)を下回った。
河川水は、生活環境項目の溶存酸素量(DO)のみが、環境基準(1㍑当たり7.5㍉㌘以上)に達成していなかった。数値はボックスカルバートで5.1㍉㌘、小川で7.0㍉㌘。市環境課は「水温や流量などの自然的要因が大きいと考えられる」としている。
DOは、水の中にどれだけの濃度で酸素が溶け込んでいるかを示す値。市環境課によると、DOは水温が高いと量が減少するため、気温の高い沖縄地域は全体的にDO値が基準に達しないケースが多いという。
小川に近く、沖縄県が測定しいている宮良川平喜名橋(基準地点)で実施した、2020年度のDO調査結果は、4.1~8.8㍉㌘の範囲で変動しており、今調査のDO値は変動の範囲内だった。
市の調査は、同じ地点で来年も行う。
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