鶏餌代2倍 農家直撃 「手元に何も残らない」
鳥インフルエンザによる流通量の減少で全国的に価格が上昇する卵。その一方で、昨年からの飼料代の急騰が養鶏農家の経営を直撃している。餌となる配合飼料代は採卵経営のコストの約7割を占めるというが、以前の2倍近くにも値上がりしたことで卵の価格上昇が経費に追いついていない。農業生産法人㈲丸西代表取締役の西里和晃氏は「島内では卵の価格を大幅に上げるわけにもいかず、コストがかさんで手元には何も残らない。今の状況が続けば先行きは暗い」と危機感を募らせる。
農林水産省のデータによると鶏用の配合飼料1㌧当たりの小売価格は近年上昇傾向にあり、特にロシアのウクライナ侵攻以降に急騰。2022年4月に10万円を超え、昨年11月には11万4800円に達した。2000年代初頭までは4万円程度で取引されていたという。
鶏1万7000羽、従業員20人を抱える同社は、昨年2度の値上げに踏み切ったが、それでも生産コスト上昇分には追い付いていないという。
さらに夏以降、観光が回復してきたことで卵の需要が急増。島内の生産では間に合わない分を本島や九州などから仕入れるが、発注した6割程度しか納品されない。西里氏は「品薄で島外は卸値がどんどん上がっている。需要に対応するため仕入れ分はほとんど赤字状態でやっている。忙しいばかりで自転車操業になりかねない」とため息を漏らし、事務所に積まれた卵を指さしながら「この在庫も来週までには空になる」と話す。
新しい鶏の入れ替え費用も上がりつつある。今後、ヒヨコの購入費が値上がりする。これまでなかった箱代や陸送費まで費用に上乗せされるようになる予定だ。
今後も続くとみられる飼料代高騰。昨年は市から飼料代の補助が出たが「焼け石に水」だという。老朽化する鶏舎の修繕なども必要だが「いまの社会情勢では厳しい」と説明。「牛や豚は手厚いが養鶏には、ほとんど補助がない」とため息を漏らした。
昨年、県内で初めて発生した鳥インフルも懸念。「いつ八重山に入ってもおかしくない。明日はわが身だ」と危機感を募らせる。
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