新たな天体発見に意欲 国立天文台、自然科学研究機構
高校生が電波望遠鏡を使って天体観測やデータ解析などを体験する「美ら星研究体験隊」(国立天文台、自然科学研究機構共催)が3日、県立石垣青少年の家で始まった。地元の2人のほか、本島や県外からの高校生21人が8月5日までの3日間、国立天文台VERA石垣島観測局と石垣島天文台で最先端の観測装置を用いて新たな天体の発見を目指す。
同プロジェクトは、高校生らに研究を身近に感じてもらおうと2005年から行われている。13年からは日本学術振興会の「ひらめき☆ときめきサイエンス」事業の一環として開催。06年を除き毎年実施されていた。昨年と一昨年はコロナの影響でリモートでの開催となり、今年で17回目を迎えた。
過去には、新電波星七つと新小惑星一つを発見するなど成果を挙げている。
高校生は研究者らの指導の下、観測計画を立案。観測局の電波望遠鏡を使いながら観測を行う。
例年、光学赤外線望遠鏡「むりかぶし」も使っていたが、今回は6月の落雷の影響で使用できない。
最終日には、県立石垣青少年の家で成果発表と未来博士号の授与式が行われる。
開講式で国立天文台水沢VLBI観測所・総合研究大学院大学の廣田朋也助教は「ことなるバックグラウンドを持つ仲間と交流を深めながら、天文学的に重要な成果を挙げてほしい」と激励した。
石垣咲季さん(八重山高校1年)は「宇宙に興味があって参加した。将来は宇宙に関する職業に就きたいのでさまざまな分野に見聞を広げたい」、小西良君(同2年)は「天体には詳しくないが親が星に関する仕事をしているので参加した。プロジェクトに参加して、将来進む道の候補に加えたい」と話した。
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