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西表島 真価問われる 世界自然遺産登録1年

世界自然遺産登録から1年を迎えた西表島。「世界遺産ブランド」による影響と、オーバーユース対策の実効性が今後も注目される=24日午前、西表西部地区

世界自然遺産登録から1年を迎えた西表島。「世界遺産ブランド」による影響と、オーバーユース対策の実効性が今後も注目される=24日午前、西表西部地区

保全策準備進む/観光は回復兆し

 【西表】国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界自然遺産に西表島・本島北部のやんばる(沖縄県)、奄美大島・徳之島(鹿児島県)が登録されて26日で1年を迎えた。竹富町西表島では、登録前から課題だった観光客の増加に伴う自然環境や住民生活への悪影響を低減しようと、官民でルール整備、体制構築の準備が進む。コロナ禍の2年間、観光需要は低迷し遺産登録の効果は見えにくいが、ことしに入りコロナに伴う行動制限が緩和され、6月下旬のサガリバナが開花する時期を境に観光入域客は回復の兆しを見せている。(8面に関連)

 4島は豊かな自然環境に育まれ、国際的にも希少な固有種に代表される「生物多様性」の価値がユネスコから認められた。登録時に4項目の指摘も受け、西表島は観光客の収容人数をコントロールするため効果的な観光管理の実施と、イリオモテヤマネコなど野生生物の交通事故管理が求められている。

 登録後、国、県、町、住民、環境保護団体、有識者、民間事業者らで適正な観光管理の実現に向け、既存計画の改定作業を行っている。住民環境の情報や島の詳細な状況、西表島エコツーリズム全体構想も盛り込む方針。

 遺産登録区域内では、ピナイサーラの滝など5地点で1日当たりの上限入域人数を設定する。運用後、必要に応じて地点の追加や人数の変更など見直しも行う。根拠法はエコツーリズム推進法。現在、国から策定した計画案の承認を待っている。

 町自然観光課は「遺産登録エリアの外でも、急激な人数の増加を抑えるため目標値を立てていきたい」と考えを示した。

 ロードキル対策は、関係機関が連携して野生生物専用のアンダーパスの清掃、事故防止啓発活動を行っている。町は今後、来島者へのアンケート結果を分析し対策につなげていく方針。

 全国的に行動制限が緩和され、旅行者の反動需要も相まって西表島には現在、多くの観光客が来島。一方、竹富町内ではことし5月からコロナ陽性者の数が跳ね上がり、島内でも続出している。観光業の40代男性は「この2年間、全然お客が入らなかった。コロナははやっているが、今までの分を取り返そうという思いはある」と複雑な心境を語った。

  • タグ: 西表島世界自然遺産
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